最近は、イタリアをツアーではなく個人で旅行する人が増えています。
個人旅行に欠かせないのが列車。
最近、こんな質問をよくいただくようになりました。

列車で移動するのですが、フレッチャロッサとイタロどちらを予約するのがいいでしょうか?
今まではメールでその都度お返事していたのですが、他にも同じような疑問を持っている人がいるかもしれないのでイタリアの特急列車事情についてまとめておきます。
※その人それぞれの好みがあると思います。
この記事は一個人の考えですので、参考程度に読んでもらえれば・・・。
イタリアの特急列車
イタリアの特急列車は現在2つあります。
参照:https://www.trenitalia.com/it/le_frecce.html
国鉄の「フレッチャロッサ」と、
参照:https://blog.italotreno.it/mondo-treno/nuovi-treni-italo-evo-expoferroviaria-2017/
私鉄の「イタロ」。
元々は国鉄(Trenitalia)しかなくサービスがひどいと悪評高かったのですが、2008年にNuovo Trasporto Viaggiatori (NTV)が運営する「イタロ」ができ、今まで独占状態だったのがライバルができたからか国鉄のサービスも最近は良くなっているそう。
私も時々ミラノやフィレンツェに行くときに乗りますが、国鉄が運営する「フレッチャロッサ」もサービスはまずまず。
昔ほどイラっとすることがなくなりました(笑)。
国鉄運営の高速鉄道
国鉄運営の高速鉄道は「フレッチャロッサ」「フレッチャアルジェント」「フレッチャビアンカ」があります。
※高速列車はすべて座席指定のため、乗る前に機械でガチャン!と刻印する必要がなくなりました。
切符の刻印について詳しくはこちら↓

フレッチャロッサ
フレッチャロッサは一番早い高速列車で、時速最高300㎞でイタリアの主要都市を結んでいます。
参照:https://www.trenitalia.com/it/le_frecce/collegamenti_e_servizifrecciarossa.html
日本人観光客が一番利用する列車がこれ。
トリノ~ミラノ~ヴェネツィア~ボローニャ~フィレンツェ~ローマ~ナポリ
と観光客が行きそうな街を網羅しています。
所要時間もかなり短くなったので、列車での旅も昔に比べると快適になりました。
フレッチャアルジェント
フレッチャロッサよりもう少し遅い高速列車(最高時速250㎞)が「フレッチャアルジェント」。
参照:https://www.trenitalia.com/it/le_frecce/collegamenti_e_servizifrecciargento.html
こちらも主要都市を結んでいますが、
・ミラノ~トリノ
・ミラノ~ヴェネツィア
間の列車がありません。
ミラノ~ボローニャ~フィレンツェ~ローマ~ナポリ
間を移動するならこの列車でも◎。
所要時間がフレッチャロッサよりかかる分、料金は少し安いです。
フレッチャビアンカ
フレッチャアルジェントよりも更に遅いのが「フレッチャビアンカ」。
参照:https://www.trenitalia.com/it/le_frecce/collegamenti_e_servizifrecciabianca.html
他の高速列車が止まらない街に行きたい場合はこちら。
主要都市間を移動する場合はかなり時間がかかるので他の高速列車がおすすめ。
「時間はたっぷりある。できるだけチケット代を節約したい」という人にはいいかもしれません。
イタロ
2008年に開通した私鉄「イタロ」。
フェラーリのイメージさせる真っ赤な車両が人気の高速列車です。
参照:https://www.thetrainline.com/it/compagnie-ferroviarie/italo
トリノ~ミラノ~ボローニャ~フィレンツェ~ローマ~ナポリ
の主要都市を結んでいます。
イタロバス(Italobus)もいくつかの主要駅から出ているので、今まで列車では行きにくかった小さな街へも比較的楽に行けるようになりました。
フレッチャロッサとイタロ、私が選ぶのは・・・
イタロが新しく走り出した頃、国鉄のサービスはかなり悪かったのでイタロをおすすめしていたのですが、最近は国鉄のサービスも向上してきました。
(イタリアなので、「めちゃくちゃサービスがいい!」と言うわけではありませんが・・・)
普段は車移動の私も、ミラノやフィレンツェに行く時には列車で行くことがほとんど。
私が良く乗るのは、最近はイタロより国鉄のフレッチャロッサの方が多いです。
理由は3つ。
理由① 便数が多い
フレッチャロッサもイタロも高速列車専用の線路を走っているのですが、この線路は国鉄のものなので「フレッチャロッサが走らない時間帯にイタロが国鉄の線路を使わせてもらっている」ことになります。
当然、イタロの便数は少なくなります。
2019年現在、フレッチャロッサの便数は1日201便。
・ローマ~ミラノ間は100便
・ミラノ~ヴェネツィア間は48便
・ローマ~ヴェネツィア間は26便(その内4便はフィウミチーノ空港発着)
とかなり多くの便数があります。
特に私がよく利用するボローニャ~ミラノ、ボローニャ~フィレンツェはかなり便数が多いので、スケジュールに合わせて細かく時間帯が選べるのが便利。
いつもチケットを買う時、国鉄のサイトとイタロのサイト両方を見るのですが、結局フレッチャロッサのチケットを買うことが多いです。
理由② 座席指定が可能
しばらく予約をしない間に座席指定料(2019年現在2ユーロ)がかかるようになってしまったのですが、フレッチャロッサは2ユーロを追加すると座席指定ができます。
一方、イタロは座席指定ができません。
仕事でミラノやフィレンツェへ行くことが多いので、いつも1人席を予約する私。
横に誰か知らない人が座るとゆっくりできないので、いつも1人席を予約しています。
そんな私にとって、座席指定ができないのはつらい・・・。
フレッチャロッサよりもイタロの方が同じような時間帯で安いチケットがあることもあるのですが、結局1人席が予約できるフレッチャロッサを予約してしまいます。
2人旅などで「特に席の場所にはこだわらない」という場合はイタロでも◎。
理由③ Premiumクラスからドリンクサービスがある
フレッチャロッサのクラスは下から「Standard、Premium、Business、Business Area Silenzio、Working Area、Executive」なのですが、下から2番目のクラス「Premium」からドリンクサービスが付きます。
(ドリンク1杯と、スナックまたは甘いお菓子が選べます)
一方、イタロのクラスは下から「Smart、Comfort、Prima、Club Executive」なのですが、上から2番目の「Prima」クラスからしかドリンクサービスが付きません。
まぁ、ドリンクサービスがなくても1時間ぐらいの乗車時間だと特に問題ないのですが(下のクラスがすごく安ければ、ドリンクサービスのないクラスで予約することも多々あります)、どちらも同じくらいの料金で片方がドリンクサービス付き、もう片方がドリンクサービス無しだと、やっぱりドリンクサービスがある方を選んでしまうことが多いです。
こんな理由で私はフレッチャロッサを選ぶことが多いですが、イタロはフェラーリの様な真っ赤な車体が人気だし、駅にあるイタロオフィスのスタッフも親切です。
また、イタロの方がチケット代が安いことも多いです。
フレッチャロッサとイタロ、便数・料金の違いを比べてみました
フレッチャロッサとイタロを同じ日時で検索し、便数・料金の違いを比べてみました。
(12月10日8時以降の片道列車、ボローニャ発ミラノ着の列車を検索しました)
・フレッチャロッサ
・イタロ
便数はフレッチャロッサの勝ち、料金はイタロの勝ち・・・という結果に。
特に朝や夕方の通勤時間帯は、フレッチャロッサの便数が多いです。
料金は8時~9時代ならイタロの方がかなり安い!
「できるだけ安く移動したい」という人には、やはりイタロの方が強そうですね。
イタロは便数が1時間に1本(9時以降)と少ないので、「スケジュールの時間に合うように目的地に到着したい」という人にはフレッチャロッサの方が選択肢が多いので移動しやすそう。

結局、どっちを選べはいいのか・・・・ムムム
というあなたのために、フレッチャロッサを選んだ方がいい人、イタロを選んだ方がいい人についてまとめました。
フレッチャロッサとイタロ、結局どちらを選ぶ?
フレッチャロッサを選んだ方がいい人
・忙しいスケジュールなので、列車の時間帯の選択肢は多い方がいい人
・座席指定をしたい人
・お手軽な値段でドリンクサービスが欲しい人
フレッチャロッサのチケット購入方法・料金等についてはこちら↓


イタロを選んだ方がいい人
・フェラーリの様な真っ赤な車両に乗ってみたい人
・座席指定が不要な人
・できるだけ安いチケットを購入したい人
・金曜日に移動の予定がある人
イタロのチケット購入方法はこちら↓

最後に・・・
フレッチャロッサ、イタロの特徴、選び方についてまとめました。
サービスはどちらもそこまで大差はないので、あとは重視する点と好みの問題かなと思います。

フレッチャロッサとイタロ、どっちも乗ってみたい!
と言う人は、
・行きはフレッチャロッサ
・帰りはイタロ
などどちらにも乗ってみるのがおすすめ。
自分が好きな列車が分かると思いますよ!
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