等価証明書(Dichiarazione di valore)を日本で取ってきました!取得方法を詳しく説明します
2018年の11月に、イタリアでドライバーライセンスを取得しました。
今まではドライバーはイタリア人夫、私は通訳として日本からのお客様をご案内していたのですが、私もライセンスドライバーの資格を取ったことで通訳兼ドライバーとして仕事ができるようになりました!
イタリアでドライバーの資格を取るには試験が2つあり、2つ目の試験が終わったのが去年の11月末。
送迎会社などでドライバーとして雇われて仕事をするならそのままでも仕事ができるのですが、パルティータ・イーヴァ(Partita Iva)という自営業の人が持っている税商業番号を取得して自営業として仕事をするには10年以上学歴があるという証明が必要となります。
イタリア人の場合は、2つ目の試験を受けた商工会議所(Camera di commercio)から最終学歴の学校に問い合わせをして学歴を確認するらしいのですが、外国人はそれができないとのこと。
外国人は「等価証明書(Dichiarazione di Valore)」という証明書で「私は母国〇〇で10年以上学校教育を受けています(学歴があります)」ということを証明しなければならないのです。(メンドクサッ!)
というわけで、年末年始に日本に帰国した際、大阪にあるイタリア総領事館で手続きをしてきました。
私も「等価証明書って何?どうやって取ればいいの~~?」と軽いパニックになって調べまくったため(笑)、今後等価証明書を取らなければならない人の参考になれば、と今回私がやった手続きをまとめておきますね。
「等価証明書ってどうやって取るの~?」と困っている人の参考になればうれしいです♪
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等価証明書ってなに?
イタリアへ留学や仕事などで行く場合に必要になる「等価証明書」。
それ以外にも、私のように「イタリアで資格を取る場合」に必要になるケースも。
等価証明書とは、簡単に言うと「日本で受けた教育がイタリアのものと同等であること」を証明するための書類。
日本で卒業した学校からの卒業証明書や成績証明書に外務省からの証明をもらい、渡航先の国の言語に翻訳し、渡航先の国の大使館または総領事館に必要書類を提出すると発行してもらえます。
等価証明書は、例えば
- 海外の大学に留学する場合に、日本での高校卒業または大学在学中の資格があることを証明する
- 海外で資格を取る場合に、〇年の学校教育を母国で受けたことを証明する
などの場合に必要になります。
等価証明書を手に入れるまでの道のりは長いですが(汗)、一つずつこなしていけば大丈夫!
分からないことがあれば、メールや電話で各機関に問い合わせをしてみましょう。
どこも親切に教えてくれますよ。^ ^
等価証明書取得のおおまかな流れ
細かく書いていく前に、まずは大まかな流れを紹介。
- 手続き先(在日イタリア大使館または総領事館)を確認
- 学校の卒業証明書、成績証明書を取り寄せる
- 外務省による証明(アポスティーユ証明または公印証明)をもらいに行く
- 翌日、書類を受け取りに行く
- 書類をイタリア語に翻訳する
- 翻訳したものをワードなどのファイルで大使館または総領事館の担当者に送っておく
- 必要書類を揃えて大使館または総領事館へ持っていく
- 等価証明書を受け取りにいく(郵送で受け取る場合は提出時に手続きをする)
こんな流れになっています。(書類を受け取るまでが大変…汗)
それでは、それぞれの工程を細かく見ていきましょう~!
イタリア総領事館に問い合わせ
まずは、イタリア総領事館に問い合わせのメールを送りました。
私の場合、最終学歴の学校があるのが大阪なので大阪にあるイタリア総領事館に問い合わせメールを送りました。
証明書が必要な学校が東日本にある場合は、東京にあるイタリア大使館に問い合わせてください。
イタリア総領事館の管轄となるのは以下の都道府県です。
富山県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、
大阪府、奈良県、兵庫県、和歌山県、鳥取県、岡山県、広島県、島根県、
山口県、香川県、徳島県、高知県、愛媛県、福岡県、佐賀県、大分県、
長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
その他の都道府県はイタリア大使館の管轄となります。
・ライセンスドライバーとして登録するにあたり、等価証明書が必要になったこと
・最終学歴が看護専門学校となること
を書き、等価証明書取得の手続きについて問い合わせをしました。
翌日に総領事館の担当者の方より連絡がありました。まとめると、
・高校と看護学校の名称・住所が必要
(総領事館の管轄地域にあることが原則)
・専門学校の卒業証明書類は外務省にて公認確認による証明が可能であることを外務省に確認しているか?
(専門学校の場合、外務省による証明が難しい場合が多く、外務省による証明が取れない場合は等価証明も難しい。この点が重要!)
・10年以上学歴があることを証明するのであれば、看護学校の証明は不要。
高校を卒業した時点で12年学歴があることになるので、高校の卒業証明書があれば等価証明書が発行できる
とのことでした。
その後、総領事館より等価証明書発行の手続き方法についてのメールが届きました。
等価証明書の手続き方法についてまとめておきますね!
学校が東日本にある場合は東京にあるイタリア大使館
学校が西日本にある場合は大阪にあるイタリア総領事館
になります。
メールで問い合わせるととても丁寧に返事をくれるので、分からないことがあればメールで問い合わせてみることをおすすめします。
証明書関係はビザとは別の問い合わせ先になります。
イタリア総領事館の証明書についての問い合わせはこちら↓
A.I.R.E.と領事業務【イタリア総領事館】
Tel: +81(06)-4706-5815
Fax: +81(0)6-6201-0590
E-mail: consolare.osaka@esteri.it
※イタリア大使館の連絡先については大使館のサイトでご確認ください↓
https://ambtokyo.esteri.it/ambasciata_tokyo/ja
等価証明書手続き①
高校の卒業証明書と成績証明書を取り寄せる
等価証明には、卒業した学校の日本語の卒業証明書と成績証明書が必要です。
学校から取り寄せましょう。
「学校名 卒業証明書」で検索すると該当ページが出て来ます。
※等価証明書が必要なケースにより、どの学校の証明書が必要かが変わります。
(私のように高校のものでいい場合や、大学や専門学校など最終学歴のものが必要な場合など・・・)
自己判断せず、必ずイタリア大使館または総領事館に問いあわせてくださいね!
成績証明書がある場合は、備考欄に成績の平均点を記載してもらうようにしてください。
私は高校卒業から20年以上たっていたので、もちろん成績証明書はありませんでした(通常保管されているのは5年間)。
そのため、
・卒業証明書 1通
・証明書(調査書・学業成績証明書発行不可文書) 1通
を発行してもらいました↓
成績証明書を発行してもらえる場合は、備考欄に「成績の平均点」も記載してもらってください。
(総領事館からのメールに書かれていました)
等価証明書手続き②
外務省による証明(アポスティーユ証明または公印証明)をもらう
高校から発行してもらった卒業証明書・成績証明書(または学業成績証明書発行不可文書)には外務省による証明が必要になります。
・私立の場合は公印証明
という証明が必要。
私の学校は私立だったので「公印証明」が必要でした。
総領事館からのメールでは「証明申請の方法については直接外務省にご確認願います」とのことだったので、外務省大阪分室に電話をして手続きについて確認しました。
(外務省大阪分室の連絡先については、総領事館からのメールに記載されていますよ!)
【外務省大阪分室】
〒540-0008
大阪市中央区大手前4-1-76
大阪合同庁舎第4号館4階
TEL: 06-6941-4700
FAX: 06-6947-0813
【申請受付時間】
月曜日~金曜日(祝日を除く)
9時15分~12時、13時15分~16時
【受付時間】
月曜日~金曜日(祝日を除く)
9時~12時、13時15分~17時
※証明の申請手続きについては外務省のサイトもご参照下さい↓
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/index.html
電話で問い合わせると、
「申請受付時間内に、ご本人が来られる場合はご本人と確認できる身分証明書をお持ちください」
とのこと。
身分証明書なので、免許証やパスポートを持っていけばOK。
詳しくは直接外務省にお問い合わせくださいね。
当日は、免許証を持って外務省大阪分室が入っているビルへ。
さすがは政府機関、入り口を入るとカウンターがあり、名前と住所、どこの部署に行くのかを用紙に記入しました。
用紙と引き換えに館内に入ることができるカードをもらえるので、そのカードで入り口の改札のようなゲートを通過しエレベーターで外務省分室へ。
部屋の後ろ側にあるカウンターで公印証明請求の用紙に記載し、順番を待って受付をしてもらいました。
(受付は5分ほどで終わります)
申請後、同じ日には受け取れないので注意!
翌日には出来上がることがほとんどのようですが、申請するのに一度行き、また翌日に受け取りに行く必要があります。
でも、翌日にもう出来上がるのはさすが!イタリアだと1か月ぐらい待たされそう・・・涙
3月~4月にかけては大学卒業シーズンと年度末・年度始めに当たるため、窓口がとても混雑するそう。
この時期に手続きをする人は、窓口での待ち時間がかなり長くなってしまう可能性があるため郵送での手続きを外務省はすすめています。
申請後、翌日に申請時にもらった引き換え券を持って受け取りに行けば、公印証明(またはアポスティーユ)の印鑑を押した書類がもらます。
等価証明書手続き③
日本語の書類をイタリア語に翻訳してもらう
公印証明(またはアポスティーユ)をもらったら、日本語の書類をイタリア語に翻訳してもらいましょう。
総領事館からのメールによると、
伊訳については正確なイタリア語訳ができるプロの翻訳者によるものであれば良い
らしいのですが、総領事館に登録されている翻訳者リストも送ってくれたので私はそこから翻訳者の人を選びました。
総領事館のサイトに翻訳者リストが載っていたのでリンクを貼っておきます↓
今回、私が翻訳者さんとしたやり取りは以下の通り。
①翻訳者リストからお願いしたい人を決めてメール
2名にメールを出しましたが返信があったのは1名だけ・・・。
返信も早く、とても丁寧な対応だったのでその人にお願いすることにしました。
②翻訳してほしい書類をメールに添付して送り、見積もり依頼
実は日本に帰る前に翻訳代について一度問い合わせをしていたのですが、翻訳する書類を見ないと翻訳代は分からないとのこと。(そりゃそうですよね…汗)
書類が揃ってから改めて連絡をし、書類をメールに添付して送り見積もりを依頼しました。
③正式に翻訳依頼・翻訳完了
翻訳代を確認し(相場が分からないので高いか安いかも分かりませんが・・・)、正式にお願いする連絡をしました。
急ぎであることを伝えたらすぐに翻訳してくれました。
メールに添付して翻訳したものを送ってもらい、終了です!
このような感じで進みました。
総領事館からのメールでは
翻訳が完了したら修正可能なワードなどのファイルで送ってください
とのことだったので、翻訳したものを翻訳者さんからワードファイルで送ってもらい、それを総領事館の担当者のKさんにメールで送りました。
等価証明書手続き④
書類と翻訳を揃えて総領事館窓口へ持っていく
翻訳ができたら、公印証明(またはアポスティーユ)付きの書類と一緒に総領事館の窓口へ持っていきましょう。
※受付時間内に行けば予約は不要の様ですが、私は念のため事前にKさんに「〇日の午前中に行きます」とメールしておきました。
✔郵送でも受け付けができます。(詳細は直接お問い合わせください)
受付に必要なものはこちら↓
・成績証明書または学業成績証明書発行不可文書(公印証明またはアポスティーユ付き)
・卒業証明書を伊語翻訳してもらったもの
・成績証明書または学業成績証明書発行不可文書を伊語翻訳してもらったもの
・依頼の手紙(※1)
・パスポートのコピー
・戸籍謄本または抄本(出生地を確認するため)
※1:依頼の手紙はイタリア語で書く必要があります。
・名前
・生年月日
・出生地(生まれた市または町)
・dichiarazione di valore(等価証明書)の必要目的・提出機関名
・自分の連絡先
を記載したものを印刷し、一緒に提出しましょう。
※イタリア語が分からない、という場合は翻訳時に一緒に依頼するといいかもしれません。
ここからは総領事館の話になりますが、中に入ると受付が2つあります。
左の受付がビザ専用、右の受付が証明書関係の受付窓口なので、等価証明書のために行く場合は右側の窓口へ行きましょう。
窓口で書類をすべて提出すると、翻訳証明や等価証明手続きなどにかかる料金を教えてくれます。
当日現金で支払うこともできますし、後日現金書留で送ってもOKです。
現金で支払う場合、お釣りはくれないのでお釣りがないようきっちり支払う必要があります。
私は当日持ち合わせがなかったのですが、同じビル内の下の階にATM、コンビニがあると教えてもらい、下の階に降りてATMで現金を引き出し、隣のコンビニで少し買い物をしてくずしてから総領事館に戻って支払いました(汗)。
書類が出来上がるには、受付後10日~2週間ほどかかります。
出来上がった書類を郵送で送ってもらうには
・日本国内の本人または代理人の住所・名前を書いた返信用封筒
(書類+A4サイズの用紙1枚の重さ分の書留分切手を貼る)
も必要なので一緒に提出しましょう。
A4サイズの用紙6枚分の書留切手を貼れば良さそうです。
書類ができる前にイタリアに帰国しなければならなかったため、受付時に返信用封筒を提出したのですが、総領事館からのメールを最後までよく見ていなくて「普通郵便の切手」を貼ってしまいました・・・。
イタリア帰国後に総領事館から「差額の〇円分の切手を送ってください」とメールで連絡があり、母に頼んで送ってもらう羽目に・・・(汗)。
その分、書類発行までに時間がかかってしまいました。
返信用封筒に貼る切手は、書留切手なので間違えないようにしてくださいね!
手続きを振り返っての感想
現在2021年10月に記事修正のために再度記事を読み返して思ったのは、「私、よくこんなややこしい手続きをしたなぁ…」ということ(笑)
いやはや、今読み返してもめちゃくちゃややこしい!
「あれ?こんな事したっけ?」ともう覚えていないこともいくつかありました。汗(…やっぱり、手続き後すぐに記事を書いておいて良かった!)
これからイタリアに留学する人や仕事などで必要になる人にとって、きっと「等価証明書ってなんぞや?」というところから始まると思うので、その時にこの記事が少しでもお役に立てばうれしい限りです。
でも、もう二度とこの手続きはやりたくない!(笑)