パルマの大聖堂に生ハムに関する彫刻が!?彫刻で見る生ハムの歴史
北イタリアの小さな町「パルマ(Parma)」。
生ハムの生産地として世界中に有名な地名なので、「名前は聞いたことがある!」という人も多いかもしれません。
以前仕事でパルマに行った時、大聖堂の彫刻の中に面白い物を見つけました。
パルマで作られる生ハムに由来した、とっても面白いもの!この記事ではそれを紹介しますね!
パルマってどこにあるの?
「パルマって名前は聞いたことがあるけど、一体どこにあるの?」という人のために、まずはパルマがどこにあるのかを紹介します。
パルマは北イタリア、ミラノとボローニャの間にあります。
パルマ駅には特急列車は止まらないので、ミラノから列車で行く場合は急行列車で約50分、鈍行列車なら約1時間30分ほどかかります。ボローニャからなら、列車の種類により少し変わりますが大体1時間前後。
パルマからは鈍行列車でチンクエ・テッレに一番近い「ラ・スペツィア駅」へ行けるので、チンクエ・テッレに行きたい人にも便利な町です。
ミラノからパルマを経由し、チンクエ・テッレに行くのも楽しそう♪
パルマで生ハム以外に有名なものは?
パルマは生ハムの生産地として有名ですが、その他にもパルミジャーノ・レッジャーノ(パルメザンチーズ)やクラテッロ(豚のお尻の肉で作った高級生ハム)の産地としても有名。
パルミジャーノ・レッジャーノはパルマ県全域で作られますが、クラテッロの生産地はパルマ北部の8つの村のみ生産地域として指定されています。
生産地域が少なく生産量もとても少ないため、高級な生ハムになるんですね(クラテッロはイタリアで作られる生ハムの中で一番高い…)。
パルマの大聖堂に生ハムの彫刻が!?
少し前にこんなツイートをしました。
生ハムで有名なパルマ。大聖堂正面のアーチ部分には12ヶ月の彫刻があり1月から12月までに行われていた仕事や行事が分かるのですが、9月の部分には豚を持った人の彫刻が。
大聖堂が建設された12~13世紀以前からこの辺りでは生ハムが作られていたんですねぇ…😳✨スゴイ! pic.twitter.com/iZHRoryw2U— さとこ🇮🇹北イタリアの通訳&ライセンスドライバー (@satoko_italia) August 20, 2021
パルマの大聖堂正面には「12か月の彫刻」があり、大聖堂が建設された12~13世紀に行われていた1年間の行事や仕事が分かるのですが、その中に「豚を持った人」がいるのを発見!右端から4番目、9月の月の彫刻のところです。
パルマの大聖堂広場。左の建物が大聖堂、右の八角形の建物が洗礼堂です。
洗礼堂への入場は有料ですが、大聖堂への入場は無料。
大聖堂正面にある3つの扉のうち、真ん中の一番大きな扉のアーチ部分を見てみましょう。(大聖堂の中に入るのは左の扉から…)
左から1月、2月、3月…と毎月の行事や仕事が一目で分かるよう彫刻があります。右から4番目の9月の彫刻を見てみると…
あっ!豚を持った人がいる!(右手にナイフも持っている…汗)
生ハム作りの作業工程では、9月は豚がお肉になる季節。そのお肉を秋の間塩漬けにし、冬の間乾燥させたら翌年の冬まで約1年間熟成させます。生ハムは冬の間の保存食だったので、前の年に作った生ハムを翌年の冬の保存食として食べていたんですね。
パルマ大聖堂の内部も必見!
他の町の大聖堂に比べると、そこまで豪華ではないパルマの大聖堂の外観。
質素な外観なので内部も質素…と思ったら大間違い!
実はパルマの大聖堂の内部はとっても豪華なんです。パルマに来たら大聖堂内部は必見ですよ♪
大聖堂の内部一面にフレスコ画が!壁も天井もビッシリとフレスコ画で埋め尽くされているのは圧巻です。
中に入って後ろを振り返ると、そこも一面フレスコ画が。ステンドガラスも素敵♪
一番奥の丸天井に描かれている、パルマ出身の画家コレッジョのフレスコ画「聖母被昇天」。
聖母マリアが天に召され、それを周りで天使・聖人聖女たちが祝福する…という場面を描いたものです。
丸天井はかなり高いので、細部までしっかり見たいひとは双眼鏡やオペラグラスなどを持っていくと◎。
パルマに来たら大聖堂をじっくり見てみよう
北イタリアの小さな町、パルマの大聖堂にあるおもしろい彫刻を紹介しました。
パルマに来たら、ぜひ目を凝らして彫刻を探してみてくださいね!